「Jリーグ新開幕」——そう銘打たれる2026年シーズンは、8月7日、その名にふさわしい2つのビッグマッチを皮切りに、日本サッカーの新たな歴史が幕を開ける。開幕カードは鹿島アントラーズ×横浜F・マリノス、そして浦和レッズ×ガンバ大阪。いずれ劣らぬ好カードを、予想スタメン・補強ポイント・見どころとともに詳しくプレビューする。
Jリーグは今季から、8月に開幕し翌年6月に閉幕する「秋春制」へ移行した。新レギュレーションの詳しい解説と、同日の国立で行われるもう一つの開幕カードは鹿島アントラーズ×横浜F・マリノスのプレビューで扱っている。
ガンバ大阪×浦和レッズ——この組み合わせは、1993年のJリーグ元年、開幕節と同じカードだ。33年の時を経て、秋春制という新時代の幕開けを再びこの2クラブが飾る。会場はガンバの本拠地パナソニックスタジアム吹田。ただし両クラブとも、記念すべき一戦を「新監督の初陣」という落ち着かない状況で迎えることになった。
今オフ最大の話題は、やはり指揮官人事だろう。浦和は6月、前京都監督の曺貴裁氏の新監督就任を発表した。京都を就任1年目の2021年にJ1昇格へ導き、その後も上位に定着させた手腕は誰もが認めるところだ。
一方で、この就任は賛否を呼んでいる。曺氏は2019年、湘南ベルマーレ監督時代に選手・スタッフへのパワーハラスメント行為がJリーグの調査で認定され、けん責と公式戦5試合の出場資格停止処分を受けて退任した経歴を持つ(クラブにも制裁金200万円)。浦和はこの経緯を踏まえ、就任発表に合わせて異例の長文声明を公表。チームが「ブラックボックス化」しないよう専門部署を設けるなどの環境整備を説明したが、SNS上では「大きな賭け」「(暫定指揮で流れを作った)達也の流れをぶった切るのか」という懐疑的な声と、「強くなると思う」という期待が今も交錯している。
ピッチ上の状況も穏やかではない。今季の百年構想リーグでは泥沼の7連敗を喫し、4月にスコルジャ監督を解任(3勝9敗)。田中達也コーチの暫定体制で立て直しを図ったものの、最終順位は12位に沈んだ。オフには中島翔哉、関根貴大(シドニーFC)、松尾佑介(町田)ら15人が退団する大量流出となった一方で補強は進んでおらず、現在27人の「少数精鋭」で新シーズンに臨む。賛否の渦中にある新指揮官に、名門の再建を丸ごと委ねる——浦和はどのような開幕を迎えるのか。
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ガンバも指揮官のごたごたと無縁ではない。ただし、その中身は浦和と正反対だ。今季就任したドイツ人指揮官イェンス・ヴィッシング監督(38)は、百年構想リーグこそ9位に終わったが、AFCチャンピオンズリーグ2(ACL2)でクラブを初優勝に導いた。すると7月6日、海外クラブとの契約手続きのためチームを離脱。開幕まで1か月を切った7月10日に退任が正式発表され、同日、サウジ・プロリーグの強豪アル・イテハドの監督就任が明らかになった。成績不振ではなく、実績を買われて引き抜かれた形である。
後任には7月18日、クラブOBの明神智和コーチが昇格した。現役時代は日本代表として活躍し、2008年のACL制覇にも貢献したレジェンドだが、トップチームの指揮は初めて。発表にはサポーターから「まじか」と「キタ!」が入り混じった。準備期間は1か月足らず——「チームはすごく変わった」(中谷進之介)と選手が手応えを口にしたヴィッシング体制の遺産を、新体制へどう引き継ぐかが問われる。
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同じ「新監督の初陣」でも、中身は対照的だ。ガンバは機能していたチームから指揮官だけが抜けた。ACL2を制した土台は残っており、内部昇格の明神監督には継続という選択肢がある。対する浦和は12位からの作り直し。選手は15人が入れ替わり、指揮官は規律から戦術まで一新するタイプだ。開幕時点の完成度で見れば、ホームのガンバに分があるだろう。
ただし、反証もある。曺監督が京都で見せた立ち上げの速さ——就任1年目でのJ1昇格——は実証済みだ。混乱の夏を過ごした浦和がこの一戦を「再建の第一歩」に変えられるか。33年前と同じカードの初陣は、両クラブの新時代を占う一戦になる。
▶ もう一つの開幕カード: 【8/7 Jリーグ開幕】鹿島アントラーズ×横浜F・マリノス 予想スタメン・見どころ
2026年7月26日 公開

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