「Jリーグ新開幕」——そう銘打たれる2026年シーズンは、8月7日、その名にふさわしい2つのビッグマッチを皮切りに、日本サッカーの新たな歴史が幕を開ける。開幕カードは鹿島アントラーズ×横浜F・マリノス、そして浦和レッズ×ガンバ大阪。いずれ劣らぬ好カードを、予想スタメン・補強ポイント・見どころとともに詳しくプレビューする。
Jリーグは1993年の創設以来、2月末〜3月上旬に開幕し同年12月頃まで戦う「春秋制」で行われてきた。しかし今季から、国際的な試合日程・移籍市場との整合や欧州主要リーグとの足並みをそろえることを目的に、レギュレーションを大きく変更。8月上旬に開幕 → 12月中旬から約2か月のウィンターブレイク → 翌年6月上旬に閉幕する「秋春制」へ移行する。
様々な記憶が刻まれてきた一戦だ。最多9回の優勝を誇る鹿島と、5回の横浜FM。名門同士の激突が聖地・MUFGスタジアム(国立競技場)で19時25分にキックオフ。フジテレビが生中継し、リーグ戦ゴールデンタイムの地上波全国生中継は2002年以来24年ぶりとなる。
前年王者・鹿島は盤石の布陣。GKは北中米ワールドカップ(W杯)日本代表の早川友基、DFに植田直通・小川諒也、MFに柴崎岳・三竿健斗、FWに鈴木優磨と、日本代表経験者がずらりと並ぶ強力なスカッドを名将・鬼木達監督が統率する。
不安要素もある。開幕前のトレーニングでDF安西幸輝、MF樋口雄太が相次いで負傷。さらにFW荒木遼太郎がシント=トロイデン(ベルギー)へ移籍。DF濃野公人は、一部報道によるとMLSのD.C.ユナイテッド行きが濃厚となったと報じられ、鹿島側からも海外移籍を前提とした交渉のためチームから離脱したと発表された。
それでも補強で穴を埋める。横浜FMで約4年プレーした後カタールSCに在籍していたFWヤンマテウスを獲得。濃野の離脱で手薄になった右サイドバックには、広瀬陸斗が3年半ぶりに古巣復帰した。アクシデントや急な移籍は重なったが、今季も優勝候補と見るのが妥当な仕上がりだ。
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対する横浜FMは、崖っぷちからの再出発となる。2025年はホーランド、キスノーボ、大島秀夫と1シーズンで3人が指揮を執る異常事態。最下位に沈んだチームを6月就任の大島氏がどうにか押し上げ、残留に滑り込んだ。
その混乱を断ち切るべく招いたのが、オーストラリア出身のスティーブ・コリカ監督だ。豪Aリーグで数々のタイトルを獲得し、昨季は創設3年目のオークランドFCを躍進させた指揮官。選手時代に広島で2シーズンを過ごした日本経験もある。ボール保持と攻守の切り替えの速さを両立させ、手駒に応じて戦術を変える柔軟性が持ち味で、戦力を見極めながら立て直す今の横浜FMには噛み合う人選といえる。
ただし補強は慎重だ。中心のMF渡辺皓太が神戸へ去った一方、加入は鹿島からFW知念慶、浦和で出場機会の少なかった二田理央、スペイン・ジローナからGKルベン・ブランコ。再建元年としては、驚くほど静かな夏だった。
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前年王者と、監督を2度替えて辛くも残留したチーム。地力の差は明白だ。ただ、不確定要素はむしろ王者の側にある。鹿島は開幕を前に濃野・荒木の2枚を欠き、安西・樋口にも負傷が出た。新加入のヤンマテウス、復帰した広瀬が、どこまで早く「鹿島のリズム」に溶け込めるか。
対する横浜FMはコリカ体制の初陣で、可変的な戦い方を志向する新監督のもと、まだ相手にとって「未知」の状態にある。順当なら鹿島だが、つけ入る隙があるとすれば、開幕戦特有の噛み合わなさが出る時間帯だろう。
近年の戦いぶりは対照的だが、築いてきた歴史はリーグ屈指だ。1993年のJリーグ開幕以来、一度もJ2でのシーズンを経験していないのは鹿島と横浜FMの2クラブだけ。J1で戦い続ける2つのプライドが、聖地・国立で激突する。
2026年7月26日 公開

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